Friday, October 31, 2008

商店街の珈琲屋

7 時に目が覚めた。 寝床でしばらくボンフィグリオリ(K. Bonfiglioli) の ``Don't point that thing at me" を読む。 飛行機でアメリカに向かうモートデカイ閣下(Hon. Mortdecai)が、 隣りの席のアメリカ人と会話するシーン。 階下に降りて、シリアルと珈琲の朝食。 しばらくいつものあれこれをして、 午前中は来週末の出張の予定を立てたり、事務仕事のあれこれ。 昼食はマリナーラソースを作って、茄子とベーコンのパスタにした。 食後に珈琲。午後は少し昼寝をしてから、数学。 具体的には dyadic argument 関連のまとめ作業。 しかしその作業中に、 まさに自分が書いていたことを詳しく説明した文献を発見。 サイエンス系では他の誰かに先に発表されていたら、もう意味はない。 今までの作業が全て無駄になったが、勉強にはなったからいいか。 この支線はなくなったので、本線の研究に戻る予定。 暗くなった頃に、また本を売りに外出。 最近は 5 時くらいには日が落ちるので、 ずいぶんと一日が早く感じる。 そう言えば、もう明日から十一月。早いものです。 夕食は御飯を炊いて、またイクラ丼と、豆腐と葱の澄まし汁。 食後にお茶。

近くの商店街になかなかいい珈琲屋がある、 という情報を近所のバーのソムリエに聞いたので、 試しに珈琲豆を買いに行った。 確かに悪くないし、店の人も色々と相談に乗ってくれそうだった。 SBUX やタリーズに比べて、一割から二割安く済むのも、 大量に珈琲を消費する私には有り難い。 これからはこちらで買うことにしよう。

Thursday, October 30, 2008

なつかしいぞ貴様

8 時起床。寝床でしばらく読書をして、 階下でシリアルと珈琲の朝食。 いつになく猫がなついてくるので、 「なつかしいぞ、貴様」などと一高風に叱りつつ、 猫用ホットカーペットを出してやったら、 すっかりカーペットになついて、近寄ってこなくなった。 寒かっただけらしい。 洗濯をしながら、掃除機がけをし、 昼食までは講義の予習などをする。 昼食には、御飯を炊いて酢飯を作り、 いただきもののイクラの醤油漬けでイクラ丼を作った。 一緒に卵の澄まし汁。午後は少し昼寝をしてから、書庫の整理。 夕方になって、また本を売りに行く。 思ったほど高く売れなかったので、 帰りのスーパーでは、 鍋の食材を買うのはやめて茄子とベーコンだけにした。 売り食いの生活も大変だ。 帰宅して、夕餉の支度。 御飯、うるめ鰯、沢庵、梅干し、豆腐の味噌汁。 夜はまた講義とプログラミング演習の予習。

世界チャンピオン戦、 第11局はドローで、アナンドが世界チャンピオンとなった。 アナンドがこのマッチで初めて 1.e4 を使い、 クラムニクがナイドルフに受けると言う、意外な展開。 すぐにシャープな中盤に入って、 クラムニクが 12. ... exf5 で危険なサクリファイスを受け入れる。 互いに一歩も引かず、このマッチ最大の山場を迎えた。 クラムニクの最後の一矢ではあったが、 アナンドが難しい乱戦を速やかに収束させて、24 手でドロー。 私にはあまりに早過ぎるドローに思えたが、 マスタたちの意見ではここがタイミングらしい。 例えばスーザン・ポルガーの速報 (Anand-Kramnik g11 LIVE)では、 その直前の手で 「ポジションは同等。ここからクラムニクが勝つチャンスは、 アナンドのポカしかない。アナンドがピースを出せば、黒には何もない。 すぐドローになると思う」と解説していた。

準備で勝負がついていたような印象が拭えないマッチだった。 自分が自分らしく指せ、敵には敵らしく指せないようにする、 それが出来れば必勝である。 その意味で、アナンドは完全にクラムニクを上回っていた。 世界最高峰のマッチにしては何となく、ぱっとしない印象だったが、 アナンドのセミスラヴ・メラン、ニムゾでの完勝、 10R と 11R のクラムニクの善戦などが印象に残った。 定跡研究の意味でも、豊富なアイデアを提供したマッチだったと思う。

Wednesday, October 29, 2008

チョッキ

7 時起床。シリアルと珈琲の朝食。 あれこれのあと出勤。 午前は雑用少々のあと、10:40 から卒研ゼミF。 ラプラスの方法、サノフの定理への準備など。 20分間の昼休みに、朝買っておいた「サブウェイ」 の BLT サンドウィッチを食べ、12:30 からMゼミ。 続いて 14:10 から薬学部の「数学4」。 段々と聴講者数が減って講義し易くなってきた。 続いて 16:00 から学科会議。 軽く三時間弱ほどで終了。キャンパスを後にする。 食事の支度をする元気がなく、夕食は近所のバーにて。

京都はすっかり風が冷たくなってきた。 シャツにジャケットだけでは寒くて、 そろそろ襟巻か、チョッキと言うかヴェストと言うかジレーと言うか、 あれなんて言うんですか最近では、兎に角あれが必要かなあ、と思うくらい。

Tuesday, October 28, 2008

上から目線

7 時に起床して、ロケットスタート。20分後には出勤。 満員の通勤電車、満員の通学バスに乗ってキャンパス着。 このバスは学生がいつも好き放題のことを言っていて楽しい。
「あの先生の授業腹立つわー」
「なんでー、ちゃんとしてるやん」
「そもそも、上から目線やわ。 ほんま何様やねん!ちゅー話や」。

朝一番のコマは卒研ゼミI。 ランダム置換の上昇列、振動列など。 書類書きなどの雑用をして、 学生食堂で早めの昼食をとり、12:30 から卒研ゼミS。 ソボレフ不等式、シューアの定理など。 続いて 14:10 から「プログラミング演習」。 今日は学部教員会議のない週なので、 これで店仕舞い。さっさと帰る。帰宅してお風呂に入り、 夕食はまた鍋。ようやく白菜を使い切った。 鍋のあとに饂飩。ヱビスビールを少し。 夜は院生のまとめノートの添削。

伊藤清先生が今年の文化勲章を受賞、と言うニュースにちょっと驚き。

世界チャンピオン戦 の第十局、ついに白番クラムニクがフルポイントを取った。 ニムゾの長い定跡のあと新手を出し、クラムニクらしく滑らかに勝った。 アナンドがどこで悪手を指したのか良く分からない。 いつの間にやらリザインにまで追い込まれた感じ。 遅かりし、ではあるがクラムニク贔屓としては、 次の黒番を勝てば奇跡の逆転もないではないのでは……、 と思ってみたり。

Monday, October 27, 2008

鍋の幸せ

8 時頃に目が覚めたが、9 時くらいまで起きられなかった。 やはり休みが一日は入らないと辛い。ゴミ出しをして、 珈琲とシリアルの朝食を取り、 朝のあれこれのあと、身支度をして衣笠に出勤。 京都は急に寒くなっている。 先週はまだ暑い日すらあったのだが、 週末を過ぎるともう秋から冬への晩秋の風情。 夏が過ぎてもあまりに暖いので、 今年は紅葉があるのかなあ、とさえ思っていたが、 この調子だと 11 月が見頃だろう。 今年は台風が一つもなく、京都観光は好調らしいので、 かなりの人出になるかも。 私も人の少なそうな時間と場所を狙って、 京都の紅葉を目におさめたいと思っている。

学生食堂で早めの昼食をとり、 法学部の講師控え室で講義の予習など。 13:00 から「数理の世界」。今日は有理数の定義をして、 実数の定義へのイントロとして集合の濃度の話などをした。 続いて、14:40 から「情報の数理」。Huffman コードと、 その平均語長など。学園祭が近いせいだろうか、 少し学生数が減っているかな、と言う感じ。 バス停の混雑もそれほどではなかった。 夕食はまた鶏鍋。ビール。鍋のあとは雑炊。 冷や御飯がないので、米から炊いて作った。 幸せとはポン酢醤油のあることだ。いや本当に。 夜は明日のゴミ出しの準備。 明日はまた、早朝ロケットスタートの火曜日だ。

世界チャンピオン・マッチ、 アナンド vs. クラムニク の第9局はドロー。セミスラブからシャープな変化に踏み込み、 クラムニクがかなり頑張ったが、1 ポイントには及ばず。 1P アップでダブル・ビショップのエンドゲームだったので、 本当に惜しかった。 アナンドにこれほどポイントの余裕がなければ、 タイムプレッシャに堪え切れなかったのではないか。 アナンド側のペースに巻き込まれてしまった前半で、 これくらいのパフォーマンスを出せていれば、と思っても既に遅し。 この対局を観てあらためて思うが、 マッチは「プレパレーション」、 つまり対局準備の研究合戦で相当のところまで決まってしまうようだ。 第8局までを観ていると、 心理戦も含めて定跡選択と研究でアナンドのチームが一枚上手だったか、 あるいは、運良くそれがうまく噛み合った、と言う印象を受ける。 これでアナンドは引き分け以上が確定。

Sunday, October 26, 2008

お母様とエッグタルトを

8 時起床。しばらく TV でニュース解説(?)番組を観たり。 こういう番組って全く何も解説していなくて、 何も分かっていない人同士で何だか大変そうだとその時だけ納得しあう、 と言う仕組みになっているようだ。 ジェットコースターみたいなものだろうか。 これからじっくり注視していかなきゃいけませんね、 と言う「まとめ」がライドが終わりの合図のようだ。 しかも時々、自称専門家が解説らしいことをすると間違っている。 今日は円キャリー・トレードに関する説明が、 素人でもすぐ気付くほどのレヴェルで完全に間違っていた。 しかし、それはライドの途中で出てくる恐竜が本物の恐竜でないのと同じで、 大した問題ではないのだろう。

身支度をしてウィークリィマンションを出て、品川駅へ。 円が強くなっているせいか、山手線の吊り広告はマカオ観光局一色。 お母様とエッグタルトを食べにマカオへ、だそうだ。 飲んだあとラーメンを食べに飛行機で博多に行く人々がいた、 バブル時代をちょっと思い出した。 構内の SBUX でショート・ラテだけの朝食を取りつつ、原稿読みなど。 駅弁を買って、新幹線で京都に帰る。 品川京都間は 2 時間 15 分ほどなので、 ゆっくりして、ちょっと一仕事したら到着、と言う感じ。 実際、京都から和歌山の実家に帰るよりも近い。 帰宅して、しばらく昼寝。すぐに起きて書庫の整理など。 夕方になってまた本を売りに行く。 帰りに近所のワイン屋で鶏鍋にあいそうな白ワインを選んでもらい、 スーパーで食材を買って帰宅。 夕食は鶏鍋。さきほど買った白ワインを一杯だけ。 あとはポン酢、醤油、塩で適当に味つけして、饂飩にする。 最後に七味と胡麻油を入れ、たっぷりの九条葱を散らして完成。 やはり鶏はいいだしが出るなあ。夜はプラスチックゴミの整理をしてから読書。 この週末は出張で疲れてしまったので、 少しは気持ちを休めようと、のんびりミステリを読む。 「封印の島」(ピーター・ディキンスン/井伊順彦訳/論創社)。

アナンド vs. クラムニクは既に 5.5-2.5 にまでなり、 残りはあと 4 局。 4 局で 3.0 ポイントを追いつくのは、 このレヴェルではほぼ不可能だろう。 この点差でリラックスしたクラムニクが、 面白い対局をしてくれることを望む。

Saturday, October 25, 2008

蕎麦屋

7 時起床。部屋でしばらく下調べをしたあと外出。 不動産巡り。14 時近くになって予定を終える。 歩き疲れて、やれやれと猿楽町の蕎麦屋で遅い昼食。 二色天もりを頼んで、生ビール(ヱビスの琥珀)を飲みながら天ぷらを待つ。 喉も乾いていたので冷たいビールが美味しい。 海老の頭、海老、小茄子と獅子唐、と揚げたてがやって来るのを次々に塩で食べ、 最後は穴子。二色もりの蕎麦をすすって、蕎麦湯をいただく。 そうこうしている内に店も空いてきた。 十四代本丸の玉返しとか言うのを一合頼み、 蕎麦味噌だけでゆっくり飲む。 蕎麦屋を出て、 途中で夕食用に季節野菜のグリルサラダとジャンバラヤをテイクアウトし、 ウィークリィマンションに帰る。 少し昼寝。夕食はテイクアウトしたもので。

Friday, October 24, 2008

テンソル

ほぼ満員の新幹線に乗り、夕方、雨の東京に降り立つ。 新幹線では院生のまとめノートの添削。 品川駅に到着して、 Dean & Delca のカフェでカプチーノを飲んで一休み。 予約したウィークリィマンションに移動して、夕食までは原稿読みの仕事。 夕食は近所のカレー屋さんにて(またカレーだ)。 何故か看板に、リッチテンソルを縮約してスカラー曲率になる、 と言う数式が落書きされていた。 学生が多い土地のようには見えないのだが。 夜はインタネットで情報収集。明日の計画を練る。

Thursday, October 23, 2008

普通のキッシュ

やはり玉葱とベーコンの基本のキッシュ・ロレーヌは美味しい。 しかもチーズはコンテ、たっぷりコーン入りだ。 美味しくないはずがない。 タルト皿に入ったホールの姿も大変に美しく、 撮影した方が良かったも知れない。 普段は色々なヴァリエーションのキッシュを出している F シェフだが、 時々はこういう「ふつう」のキッシュもよいのではないかなあ。

8 時起床。シリアルの朝食をとり、 マグカップに珈琲を入れて寝台に戻り、 手帳と相談をあれこれしつつ、並行して洗濯。 今日は雨だが、日を選んでいられないのでやむを得ない。 週末、東京に二泊する予定なので、 ホテルと新幹線の予約など。 掃除機がけをして、洗濯物を室内に干し、 昼食は近所のカレー屋さんにて。 午後は論文書きと、書庫の整理などを交代交代に。 夕方になってまた本を売りに行く。 夕食はまた鍋。最後に雑炊。 食後に紅茶といただきもののレーズンクッキー。 夜は講義の予習と、 某出版社から頼まれた持ち込み原稿の下読みなど。

週末の宿泊先を探すと、どこも一杯で二泊出来るところがほとんどない。 やむを得ず、ウィークリィマンションの類を借りた。 本当に不景気なんだろうか? 予定通り更新できるだろうとは思っていますが、 環境と都合次第で遅れたり、更新できない可能性もあります。

Wednesday, October 22, 2008

雨の水曜日

7 時起床。 シリアルと珈琲の朝食。なんとクラムニクがまた負けていた。 寝る前に見た段階ではドローかな、と思っていたが……。 まさかクラムニクがたった 6 局で三敗もするとは。 出勤して少し雑用のあと、10:40 から卒研ゼミF。 続いて 12:10 から事務依頼の学生面接をして報告書を書き、 続いて 12:30 より、 (朝買っておいたサブウェイのサンドウィッチを食べつつ)院生ゼミ。 続いて 14:10 から薬学部一年生の「数学4」。 いつものように教室のきっちり後ろ半分が満員。 遠くからテレビか何かを観るようにずっとおしゃべりをしながら、 講義を受けている。 続いて 16:00 から学科会議。 重要議題続きで、終了したときには 20 時近くにもなっていた。 バス停から、家の近所のバーに電話で連絡を入れ、 キャンパスを後にする。

今日は、私がリクエストしたコンテのキッシュを、 シェフが作って待っていてくれる予定。 こういう良い事の一つでもないと、 雨の水曜日はやり切れない。

Tuesday, October 21, 2008

名将は兵を引く

7 時起床、20分間で全支度をして出勤、のロケットスタート。 その隙間に、 世界チャンピオン戦 の結果もチェック。 なんと、クラムニクがまた黒番のアナンドに完敗だ。 世界最高レヴェルの闘いなのだから、29. Nxd4 は「ブランダー」 と言わざるを得ないだろう。 2 ポイント差を逆転するのはかなり難しいな……。 9 時から卒研ゼミI。ランダム置換の昇順の数について。 少し雑用をして、遠い方の学生食堂で昼食をとり、 12:30 から卒研ゼミS。 ルーミス=ホイットニー不等式など。 続いて、14:10 から「プログラミング演習」。 終了後すぐに、某委員の方からの相談のミーティング。 続いて、16:00 からの理工学部教員会議。 二週間に一回も開いているせいか、一時間ほどで終了。 会議室で他の先生から、事務の方が探していましたよ、 と教えられたので、すぐに事情を確認に行く。 大した用でなく良かった。 少し雑用をしてからキャンパスを後にする。 帰宅して、夕食はまた鍋。今日は、鍋の残りのだしで、 雑炊風に御飯を米から炊くことにした。うーん、いい感じ。 今日もついヱビスビールを飲んでしまった。 いやあ、雑炊美味しい。白ワインとの愛称もいいし。

通勤中に「科学者という仕事」(酒井邦嘉/中公新書)を読む。 この春 R 大を見切って K 大に移籍した I 先生から誕生日にもらったものである。 最近、読んだところには、 「名将は兵を引く」 が研究の極意だと言うようなことが出ていた。 引き際が肝心、と良く言うが、その意味は深い。 外科手術で一番大事なのは、手先の器用さや技術ではなくて、 的確なところで引き返せる判断だそうだ。 戦だって、商売だって、引くところで引けるか、 後にうまく託せるかが難しく、しかもそれが正しかったか、 未来にしか分からない。そしてそれが出来て初めて名将、 名経営者だ。 研究でも、どこであきらめるかが難しい。 何も結果が出ないのにずっと同じ問題を考えていて鳴かず飛ばず、 そのままになってしまった、などと言うのは良い方だ。 少なくとも、自分は難しい問題に限界までチャレンジした、 と言うプライドが残る。もっと悪いのは、 とりあえずやっていれば何かは出てくるものだから、 手慣れたことをずるずると大した意味なくやっている、 と言うケースで、こういう研究者は(私を含め)多いと思う。 こんなに自分をつぎ込んでしまったことをやめて、 新しい方向に転換することがいかに難しく、 いかに大事か、それがまさに極意であることが分かるのは、 かなり年季を積んでからだ。 つまり、時間がない、と言うことに気付いてからだ。

Monday, October 20, 2008

初鍋

7 時に目が覚めたが、起床は 9 時近く。 猫に食事を与え、シリアルと珈琲の朝食。 メイルでの大学仕事をあれこれ。学生の質問や相談に答えたりとか、 事務とのやりとりとか。 他学科や他学部の学生からはしばしば質問や相談を受ける。 しかし、所属している数理科学科の学生からは滅多にない。 と言うか、一つもない。何故なのだろう。 身近な学生たちには「どS」だと思われているのだろうか。 または数理科学科の学生は少々分からないからと言って人に頼らず、 自分で考えるか何とかする態度が身についているのだろうか。 家を出て、バスで衣笠キャンパスへ。

早めの昼食(カレーライスとサラダ)のあと、 法学部の講師控え室で講義の準備をして、 13 時から「数理の世界」。自然数の足し算に続けてかけ算を定義し、 整数の定義に入った。続いて 14:40 から「情報の数理」。 McMillan の不等式の証明、最適コードの定義など。 今日もそれぞれの講義のあと、 (もぐり)聴講者たちから差し入れをいただいた。 マカデミアンナッツ・チョコレートと、はぶ茶に使うはぶの実。 マカデミアは出張のお土産か。はぶは家の畑でお作りになったらしい。 いずれにせよ、ありがたし。 流石に、三時間続けて大声で話しながら歩きまわっていると疲れて、 ふらふらと控室に戻る。 携帯電話でメイルをチェックすると、 明日の隙間時間にもう一つ仕事を入れなくてはならないようだ。 やれやれ……、と自宅までバスで帰る。 いや、自宅に辿り着くまでにはもう一仕事だ。 庶民は何があっても 5 パーセント割引き日の西友に駆け付けねば。 日持ちする食材をあれこれまとめ買いして、帰宅。

夜は今期、初鍋。鶏肉と豚肉の水炊き。 今日も良く働きました、と自分を慰労しつつ、ヱビス・ビール。 いやー、うまいね、労働者の生き甲斐を満喫。 鍋のあとはその残りのだしで饂飩にする。 鶏の骨をさらに煮て、味つけはぽん酢と塩。 卵を落とし九条葱を散らす。いやー、うまいね。 白菜の甘みはまだまだだが、いよいよ鍋の季節も近い。 私は世の中で一番美味しいものとして、 鍋のあとの雑炊を挙げるものだが、 雑炊はもうちょっと後の楽しみにとっておこう。明日とかね。 食後に紅茶とチョコレート。

さて、明日も朝 7 時から開店だ。

Sunday, October 19, 2008

雑炊

7 時起き。起床してから 20 分間で、 猫に食事を与え、シャワーを浴び、身支度をして、 シリアルと珈琲の朝食を取り、出勤。 午前中は BKC で大学業務。午前中だけで終了して、帰宅。 昼食は冷や御飯を使って、 油揚げと卵と山椒葉の炒飯。ローヌの白を一杯だけ。 食後にお茶。午後は少しだけ昼寝、 と思ったら、寝てるような覚めているような状態で、 二時間くらい寝床でごろごろしてしまった。駄目だなあ。 書庫の整理をして、また本を売りに行く。 帰りに食材と珈琲豆を買って帰宅し、夕食の支度。 冷や御飯の残りが一膳にかなり足りなかったので、 大根と人参の尻尾で雑炊にし、量を増やすことにした。 九条葱を散らして、鰺の開きと、いただきものの梅干しで食べる。 梅干しは知り合いから毎年送ってもらっているもので、 古いものから順に食べていて今は 2003 年ものだ。 ローヌの白を一杯だけ。昼食でも夕食でも飲んでしまった。いかん。 食後に紅茶と小さなおせんべい二枚。夜は読書など。

世界チャンピオン戦 の第4局は、ドロー。 オーソドクス QGD から、IQP をめぐって渋い闘いが繰り広げられた。 おそらくは玄人好みの一局だろう。 公式の局後解説を読んで、ふむふむ……、 と思いつつ棋譜を追ったものの、素人には手に負えぬ感じ。 少なくとも、退屈な短手数ドローと片付ける一局ではなかったらしい、 と言うことだけは分かった。 ドローは互いに満足できる結果で、 今日の休日のあとの第 5 局がキーになりそうだ。 クラムニクは休日に力をたくわえての白番、 勝負所と予想される。

Saturday, October 18, 2008

美味しいもの

8 時起床。猫に食事を与え、自分はシリアルを食べ、 マグカップに入れた珈琲を持って寝床に戻り、あれこれ。 一時間ほどしてようやく起床。 湯船に湯を張ってお風呂で読書をし、そのあとお風呂掃除。 昼食は鰺の開きを焼いて、大根と油揚げの味噌汁、炊き立て御飯。 いやー美味しいね鰺の開き。感激した。 さすがモリタ屋で二匹 300 円もしただけのことはある。 食後のお茶を飲みつつ、 プログラミングの勉強と楽しみののため、 「ビューティフルコード」(A.Oram, G.Wilson 編/オライリー・ジャパン) を読む。午後は主に数学。論文書き。 置き土産に R 大学の紀要に数ページほどの短いノートを書こうかと。 夕方からまた、古本と DVD を売りに行く。 夕食はまた鶏肝ソースのパスタ。ローヌのシラーを一杯だけ。 我ながらこのパスタも美味しい。 食後に珈琲を一杯といただきもののレーズンクッキー。 色川武大(阿佐田哲也)は、 まずいものを喰って生きていたくない、と言っていたらしいが、 毎日を慌しくも散文的に生きている私にはとても無理だし、 美味しいものは時々くらいが丁度いいんじゃないかなあ、と思う。 その意味では一日二回美味しいのは、ちょっと多過ぎだ。

明日の朝は日曜出勤。午前はキャンパスで大学業務。 7 時には起きないと。

今朝、世界チャンピオン戦 の第三局の結果をチェックしたら、なんとアナンドの方が勝っていた。 昨夜、アナンド 12. ... Bb7! あたりから面白くなり (アナンド・チーム用意の新手だったらしい)、 18. Bf4!! がクラムニクのタクティクス炸裂かと俄然目が離せなくなって、 クラムニクが 2P アップしたところまでは観戦していたのだが、 まさか負けるとは思っていなかった。 むしろ勝負はそこからだったようで、さらに攻防の妙手が応酬されていた。 結局、クラムニクのブランダーで勝負がついたものの、 エキサイティングな対局だった。 マッチ特有の心理戦がかなり効いているようだ。 1 点の差がついてこの後がどうなるか。

Friday, October 17, 2008

不景気とノーベル経済学賞

7 時に目が覚めたのだが、8 時くらいまでぐずぐずしていた。 起床してゴミ出しをして、珈琲とレーズンクッキー二枚の朝食。 午前中は書庫の整理など。昼食は炊き込み御飯の残りとうるめ鰯、 大根、九条葱、油揚げの味噌汁。 年末が近付くと家のすぐ裏の印刷屋がうるさくて (年賀状やカレンダを刷るのだろう)、 平日の昼間は階下の部屋では仕事にならない。 印刷業界の景気はまずまずなのだろうか。 二階を使おうかとも思ったが外出することにした。 外出ついでに古本も処分。 河原町駅の喫茶店で珈琲とシュークリームのセットを頼んで、 数学を考える。夕方、シリアルとミルクを買って帰宅。 夕食は炊き込み御飯の残りとだし巻き卵(大根おろし添え)。 食後に紅茶とおせんべい。 夜は、演習の準備と趣味を兼ねたプログラミングなど。

何故、不景気になるのか。商品があるのに売れず、 労働者がいても雇われず、店が開いているのに客が来ない、 それが不景気。しかし何故起こるのか、私には良く分からない。 通常、店にお客が来ない理由は、お客は他の店に行っている、と言うことだが、 不景気においては違う。不景気のときは、この店だけではなく、 あの店にも、その店にも、どの店にもお客が来ないのだ。 それは何故なのか。正確に言えば何故、お金を使わないのだろうか? そのお客も自分の仕事に客が入らないから、つまり不景気だからだ。 結局、不景気とはお金の流通が減少して行く悪循環である。 治療方法は単純で、お金の流通量を上げれば良い。 そして、各国の中央銀行にはその力と手段がある。 例えば、金利を下げれば良い。政府が大規模な無駄遣いをする手もある (「公共投資」と呼ぶらしい)。 私が高校の社会の時間に習ったことを勘違いしていないなら、 そう言うことだったと思う。

しかし、様々な理由でそのコントロールがうまく出来なかったり、 実行できないような状況が続くのが「不況」だろう。 例えば、金利を下げたくても 0 未満には下げられないので、 金利で制御できない理論的「罠」の領域がある。 経済学者のクルーグマンは、日本のバブル後の不況はこの「罠」 に陥っていることが原因だ、と十年くらい前から主張していた。 これはかなりテクニカルだが、このように複雑なものから、 政治家が馬鹿だからと言ったシンプルなものまで、 色んな理由がありうる。 いずれにせよ、処方箋はその理由を理解しようとすることだ。 クルーグマンの言葉を借りれば、 我々の世界で本当に不足しているものは資源でなく、徳でさえもなく、理解である。 ノーベル経済学賞は実際はノーベル賞でないし、 アメリカ人ばかりが受賞するしで、色々と批判もあるが、 今回クルーグマン氏が授賞されたことは、 おそらくこの世界大不況にとっては良いニュースだと思う。

Thursday, October 16, 2008

鶏レバソースのパスタ

7 時過ぎに起床。 猫に食事を与え、珈琲を持って寝床に帰り、 しばらく読書をしていたので活動は 9 時頃から。 シリアルの朝食を食べ、一週間分たまった洗濯をして、 講義ノートを作って、その他あれこれ雑用。 昼食にはまた、荷風流の清貧の炊き込み御飯を作って、 法蓮草の味噌汁と。食後にお茶。 午後は細かい仕事をあれこれのあと、 近所の美容院で髪を切ってもらったり、 古本を売りに行ったり。 今日は単行本中心に十数冊で 1800 円弱ほどになった。 帰りに、近所のスーパーで食材を買って帰宅。 モリタ屋で珍しく鶏レバが売られていたので購入。 今日は比較的時間もあるし、 夕食は鶏レバのパスタにしよう。

掃除機がけと家計簿つけなど家事少々のあと、夕食の用意。 玉葱を気長に炒めて鶏レバのソースを作り、 リングイネ・ピッコロにあえる。一緒にローヌのシラーを一杯だけ。 今日はいつにまして上出来。レバの質が良かったのだろうか。 食後に珈琲と、いただきものの甘口おせんべい。 夜は明日のゴミ出しの準備。

世界チャンピオン戦、 第二局もドロー。 e4 プレイヤであるアナンドの初手 1. d4 に驚いたが、 ニムゾ・インディアンを受けた上に、 さらに 4. f3 と珍しい変化を選んで驚かせてくれた。 お互いすぐにポーンがばらばらになってしまって、 難しい中盤。クラムニクの方が積極的に押していたが、 むしろ、そうさせられていたのかも知れない。 私には一見して良く分からなかったが、 公式の解析を読んでみると、互いに妙手の応酬だったようだ。 32 手で黒クラムニクがドローを申し出て、アナンドが了承。 まだ二局目だし、 この程度の微差の有利でクラムニク相手に、 難しい終盤を闘う無理はしたくなかったのだろう。 アナンド側は準備戦の成果を一つ披露し、 実際有利の盤面で終えられたことで十分と言うところか。

Wednesday, October 15, 2008

フル稼動の水曜日

7 時過ぎに起床。 猫に食事を与え、シャワーを浴び、シリアルと珈琲の朝食。 世界チャンピオン・マッチ第一局の結果と棋譜を確認する。 予想通りドローだった。 すぐに出勤して、午前は卒研ゼミF。 クラメルの定理の注意の部分。 主にレイト関数の下半連続性などの性質について。 朝の内に買っておいた「サブウェイ」のサンドウィッチで、 20 分間の昼休みの間に昼食を済ませ、 午後は院生ゼミから。今後の方針ゼミ。 続いて、薬学部の「数学4」。分布関数と密度関数、期待値など。 続いて 16 時から学科会議。 途中で来年度の科目担当決めの部分は 30 分ほど中座させてもらった。 と言っても、その間も自分の部屋で雑用の書類読みをしていたけど。 また会議室に戻って、終わったのは 19:20 頃だった。 さっさと帰り支度をして、BKC を後にする。 帰宅は 20:30 くらい。 21 時に予約をしておいたので、これから近所のバーにて夕食の予定。

世界チャンピオン戦、第一局。 先手白クラムニク 1.d4 を後手黒アナンドはスラブに受けて、 エクスチェンジ・ヴァリエーション(4. cxd4)が選ばれた。 白からするとスラブは、黒の abc 筋ポーン群の働きが実にいやな感じなので、 あっさり c 筋ポーンを対消滅させてしまうこの変化はリーズナブルだと思う。 しかし、その代わりに対称性がかなり高く、 私の印象では、互いに手がかりをつかみ難い定跡である。 多分ドロー率が高いと思う。 昨夜は、クラムニクが 1 ポーン得してクイーン交換したところまで見ていたのだが、 既にドロー風味が漂っていた。 黒はルークの配置の良さを使っていずれ西側のポーンを取り返せるし、 ルークを交換してしまえば逆色ビショップのエンドゲームなので、 第一局はドローで互いに満足するだろう、 と言う感じの勝手読みだが、珍しく正解。 確かに、朝確認するとドローになっていた。

Tuesday, October 14, 2008

雑炊

7 時起床。猫、シャワー、シリアル、珈琲、 ゴミ出し、と油断なく滑らかに支度をして、雨の中を出勤。 前日に準備を仕掛けておくのが、朝支度のコツのようだ。 ラッシュ時の満員電車を乗り継いで、 8 時半に南草津駅についたのだが、 バスロータリの周囲が R 大の学生で物凄い大混雑。 この人口大爆発は雨のせいなのだろうか。 数台を見送るまでバスに乗れず、卒研ゼミに 5 分ほど遅刻してしまった。 今日の卒然ゼミIはランダム置換について。 そのあと、部屋で雑用をして、早めの昼食を学生食堂でとり、 午後は卒研ゼミSから。 リャプノフの不等式、リトルウッドの不等式、Lp 空間の双対性など。 今日のゼミの内容はなかなか勉強になった。 続いて、14:10 からは「プログラミング演習」。 夕方、業務終了して、また雨の中を帰る。

夕食には雑炊を作った。 大根、人参の微塵切りが主体。卵を落として、葱をぱらぱらと。 味つけは、だしと味噌と生姜汁。一緒にローヌの白ワインを一杯。 食後に紅茶と、近所からいただきものの甘口おせんべい。

そしてついにチェス界最大のイヴェント、 世界チャンピオンシップ2008 (10月14日から、11月2日まで)が始まった。 アナンド vs. クラムニクのマッチだ。 世界チャンピオンはやはりマッチで決めていただきたい。 チェスは精神のボクシングであり、 やはりトーナメントよりも直接対決の勝者こそ、世界チャンピオンの名に相応しい。 今回はブリリアントで早見え、攻撃的なアナンド対、 マッチでは無敵のスーパー・セイフ、クラムニクの対照も面白く、 久々の華やかなイヴェントになりそうだ。

Monday, October 13, 2008

浮気疑惑の帰納法

7 時に目が覚めた。 寝床でしばらくボンフィグリオリを読んで、 相変わらず一行に三つずつくらい単語が分からないなあ、 と思いつつ、8 時に起床。 猫、シャワー、珈琲、シリアル、フルーツジュース。 いつものあれこれのあと、午前中は午後の文系講義の予習。 11 時頃に家を出て、衣笠キャンパスへ。 今日は良い天気だ。祝日だし、まさに行楽日和か。 学生食堂で昼食。 午後は続けて、「数理の世界」と「情報の数理」の講義。 意外といつも通りの聴講者数だった。 すぐに他大学の事務の方、二名のモグリ聴講を発見。 かなり後ろの方だったが、すぐに分かった。 と言うことは、他大学は今日はちゃんと祝日ってことか。 今日はお客さんが多いなあ、と思いつつ、二つ連続講義。 講義のあと、モグリ聴講者に少し挨拶など。 終了後、バスで帰る。

講義中に「数学的帰納法」の説明をしたときに、 応用例として以下のような問題を挙げた。 ある町には k 人の浮気妻がいる。 どの妻が浮気をしているか誰もが知っているが、 夫だけは自分の妻が浮気しているかどうか知らない。 ある日、町長から「この町には浮気をしている妻がいる。 自分の妻が浮気していることを知った夫は、翌朝に被害届を出すように」 という御触れが出た。 その日から丁度 k 日後に k 人全員の浮気妻が同時に被害届けを提出されることを証明せよ。

このように考えれば良い。 まず、k = 1 のとき、つまり、町に浮気妻が一人しかいない場合を考える。 このとき、その妻の夫は、町には浮気している女はいないと思っていた。 しかし、御触れの日、自分の妻こそが浮気をしていたのだ、と気付き、 翌日に被害届を出す。次に k = 2 の場合を考えよう。 浮気をされている二人の夫はそれぞれ、 この町には浮気妻が一人だけいる、と思っている。 だから、御触れの翌日、その被害届が出されるだろう、 と推論するが、実際、その日には届は一つも提出されない。 二人の夫のそれぞれが、他方だけが浮気されていると思っているからだ。 その日が過ぎた段階で、つまり御触れの日の 2 日後、 その二人はこのことに気付き届を出す。 以下同様に、浮気妻が一般に k 人いるときには、 御触れの翌日から k 日目に全員が被害届を提出される。 正確には帰納法を用いればよい。

講義の後、女の子が質問にやってきて、 「誰が浮気をしているかを夫を除く誰もが知っていると言う事実を、 誰もが知っていると言う仮定も必要なのではないか」 と言う指摘を受けた。鋭い。頭の良い子もいるものだ。 ボーイフレンドは浮気をしない方がいいだろう。

Sunday, October 12, 2008

``Ecrite par Madame Bachen Son Epouse"

7 時起床……のつもりだったのだが、8 時近くになってしまった。 猫、シャワー、珈琲、斜陽パン、フルーツジュース。 先週の反省をし、今後の予定を考え、 そのあと午前中は修士論文の添削(つまり昨夜の内に終わらなかった)。 今度こそ最後まで終えた。 あと何回か書き直してもらう必要があるだろうが、 「すべり止め」ができれば(私も院生も)気楽になる。 御飯を炊いて早めの昼食は、 卵御飯、鰯の丸干し、山椒葉の漬物に、法蓮草の味噌汁。 午後は大阪のチェスクラブへ。今日は 20 冊ほどチェス書籍を寄付。 午後の一局だけに参加。 夕方帰宅して、夕食は冷や御飯を使って炒飯。 山椒葉の漬物を使って、高菜炒飯風にしてみた。 大成功、これは美味しい。 しかし残念ながら、料理のポイントがいただきものの自家製漬物なので、 今ある分が切れたら再現できない。 一緒にローヌの白を一杯だけ。食後に珈琲と、 ご近所からいただきもののレーズンクッキー。 世間はさておき R 大学では、明日はもちろん普通に授業日ですよ。

バッハの無伴奏チェロ組曲の真の作曲者はバッハの妻アンナ・マグダレーナだ、 と言う説が、 先週メルボルンで開催された オーストラリア=ニュージーランド科学捜査学会 The 19th ANZFSS で発表されたとのこと。 アンナ・マグダレーナの手によって楽譜が「書かれている」ことは チェロ弾きなら誰でも知っていることだが (私もビルスマの本の付録についていたコピーを持っている)、 その英語で言えば ``written by" が単に筆写したと言う意味ではなくて、 作曲をしたと言う意味だったのだ、と言う新説である。 根拠は不明だが、科学捜査の文脈ではあるのだろう、 講演タイトルにもユーモラスに「フーダニット」の語が入っている。 私は無伴奏チェロ組曲が自分で弾きたくてチェロを習ったのだが、 それからするとやや複雑な気持ちだ。 無伴奏チェロ組曲がバッハ作品中で占める地位の高さからして、 これがバッハ作曲でないという説は扇情的な印象を与えざるを得ないが、 勿論、可能性としては考慮に値する。 おそらくこれから多くの人が楽譜の真贋判定の研究をするだろう。 この説に対して、 例えば鈴木秀美やビルスマのような演奏家がどう思うのか、 ちょっと知りたい。

Saturday, October 11, 2008

嗜眠症

7 時起床のつもりが 9 時まで寝てしまった。 しかも、寝床でくすくす笑いながら「ジーヴスと封建精神」を読んで、 9 時半起床。 早起きしたいのも山々だが、時にはこういう楽しい時間もないとね。 猫に食事を与えて、シャワーを浴び、珈琲とシリアルとジュースの朝食。 午前中に少しは添削作業など。 昼食は炊き込み御飯の残りを茶碗に一杯、うるめいわしの丸干し一匹、 九条葱と油揚げの味噌汁。食後にお茶。

さて午後の仕事にうつる前に、少し仮眠を取るのも悪くないな、 と思ってちょっと横になったら、二時間も寝てしまった。 やはり私には早起き生活は無理なのだろうか。 いや、そもそも勤勉と言うことが無理なのだろうか。 幼少の頃から思い続けてきたのだが、 もし私が一日に合計 12 時間も寝ずに済んだら、 どんな多くの業績と偉大な仕事が成し遂げられただろうか。 一日 6 時間程度しか寝ない人も大勢いる。 いやむしろ普通の大人はそれくらいだと思うが、 私の活動時間はそんな人の 3 分の 2 しかない。 つまり私の人生の長さは普通の人の 3 分の 2 なのだ。 私があさましき凡夫でいるのも、全てこの嗜眠症のためだと思う。 そうに違いない、と私は言う者だ。

夕方になって、また三条に本を売りに行く。 荷物の隙間に入れていった DVD が何故か高額で売れ、 全部で丁度 5 千円にもなった。 帰りに近所のワイン屋さんでワインを買う。 ローヌのフェアだったので、 その赤白を一本ずつ K さんに見繕ってもらう。 ローヌと言えども最近は高いねえとこぼしたら、 お買い得のものを選んでくれた。 帰り道で珈琲豆も買って帰宅。 明日、チェスクラブに寄贈する予定の本の準備。二十冊ほどを選ぶ。 最終的には全部で百冊ほど寄贈できればと考えている。 お風呂に入ってから、夕食の準備。鍋焼き饂飩を作った。 大根、人参、南瓜、九条葱、油揚げ、卵入り。 一緒にローヌの白を一杯だけ。 夜はすべり止め修論の添削。今日中に最後まで見る予定。

Friday, October 10, 2008

ヒナギクどっしん

8 時起床。少し寝坊。昨日、昼寝をし過ぎたのが敗因と思われる。 階下に降りて猫に食事を与えシャワーを浴びゴミ出しをして珈琲とシリアルとフルーツジ ュースの朝食。 午前中は、院生が書いた修論準備用ノートの添削。 サン=フルール夏の学校のラフパス入門 (Springer LNM1908) の日本語での要約である。 添削しながら、これはなかなかいいな、と思った。 修士論文の研究をこれから始めるところであと半期しかないため、 何も出来なかったときの「すべり止め」として、 書いてもらっているのだが、これはこれで大変役に立ちそうだ。 綺麗にまとまったら公開してもいいかも知れない。 昼食は炊き込み御飯の残り、うるめいわし一匹、法蓮草の味噌汁。

午後はまず三条のブックオフで DVD を十数本ほど売る。 5 千円くらいになってびっくりした。 DVD って高く買ってくれるんだなあ。 三条大橋 SBUX で少し添削仕事をしてから百万遍へ。 京大の関西確率論セミナに参加。 夕方終了したあと河原町に出て、「餃子の王将」で夕食。 大型書店で時間をつぶしていると、 ウッドハウスの新刊「ジーヴスと封建精神」(P.G.ウッドハウス/ 森村たまき訳/国書刊行会)を発見。待ってましたと、 ヒナギクどっしんな気持ちになり、即座に購入した。

ウッドハウス購入のあと、開店と同時に祇園のバーに立ち寄る。 以前に約束していたので、 バーテンダ兼ソムリエのK店長に本を差し上げるため。 ``The Bar Radio Cocktail Book (The Revised Version)" (尾崎浩司/幻冬舎/2003)、 言わゆる「バー・ラジオのカクテルブック」の改訂版。 シャンパーニュと巨峰のカクテルを一杯だけ頂いて、すぐに帰る。

Thursday, October 09, 2008

荷風の炊き込みご飯 / 吉田健一の顔

7 時起床。階下に降りて猫に食事を与え、 シャワーを浴び、顔を洗い、洗濯機をしかけ、 珈琲を入れて、カフェオレとフルーツジュースとチョコレートの朝食。 blog 読みやら、メイルの返事をあれこれ。洗濯物を干す。 なんと一仕事終えて、さらに洗濯も終わったのに、まだ 9 時前だ。 早起きは偉大。 午前中はさらに講義の準備をすることにした。 昼食はカルボナーラを作って食べる。 食後に学生からもらったお菓子。 少し昼寝をしてから、午後は書庫の整理。 夕方になって、また本を売りに行き、 スーパーで食材を買って帰る。

書庫の整理中に雑誌「太陽」の 1994 年 10 月号、 特集「作家の食卓」を見つけた。 その影響で夕食は法蓮草、人参、大根の炊き込み御飯を作った。 永井荷風である。これらを飯盒で米と一緒に炊き込んでしまうのが荷風流で、 食糧不足の折の得意料理だったそうだ。 「室内の塵を払ひ町の洗湯に行きかへり来りて茶など喫すれば日はいつか傾きまた晩飯の 支度すべき頃とはなるなり(「断腸亭日乗」より)」。 炊き込み御飯を作るのに、だしもとったので、 ついでに九条葱と油揚げの味噌汁も作って、炊き込み御飯の夕食。 食後にお茶。 夜は修士論文のすべり止めのために院生に書いてもらっている、 ラフパス理論のまとめノートの添削。

ところで上記の「太陽」の表紙は、 どこかの居酒屋で一杯やっている吉田健一。 前から思っていたのだが、昨晩バーで会った常連 P さんと顔が似ている。 酒飲みの食通であるところは同じだが、 吉田健一は英国派なのでワインよりビールである。 二十年もの間、毎週木曜日の 11 時 30分(勿論、昼間) の開店時間に神保町の「ランチョン」に現れ、 いつも生ビールを5、6杯は飲み、 時にはぐでんぐでんになって、タクシーで帰ったそうだ。 ところで、 吉田茂も吉田健一も何とも言えない貫禄のある良い顔をしているのに、 その親戚である今の首相の顔はどうだい。 私には、つまらない顔に思えてしようがない。

上記「太陽」の 58 ページより

Wednesday, October 08, 2008

朝型

7 時起床。猫に食事を与え、シャワーを浴びて顔を洗い、 昨夜用意しておいた服に着替え、珈琲と斜陽パンの朝食を食べ、 そのまま出勤。午前中は院生ゼミ。 今日はこれからの方針と研究打ち合わせ、と言う感じだったので、 昼食をとる時間が出来た。学生食堂で早めの昼食。 午後は 12:30 から卒研ゼミF。このゼミはマンツーマンで、 フィールズ研究所モノグラフに入っているホランダーの 大偏差原理の薄い本を半期で読むことにした。 今日はクラメルの定理など。 続いて、14:10 から薬学部の「数学4」、 つまり確率・統計入門。 今日は条件付確率と独立、確率変数についてなど。 少しふらふらしながら研究室に戻って、一休みしてから帰る。

夕食は、近所のバーにて。 今日はFシェフに「エスクァイア(日本版)」の別冊「グルメ映画館へようこそ!」 (1998年刊行)を差し上げた。 この前、Oソムリエの奥様にと思って持って行った本が、 それは持ってますと却下されたので、 今日は「巴里に死す」(芹沢光治良/新潮文庫)で再チャレンジ。 持っていないと思うとのことなので、ソムリエに渡しておく。 私はこの小説を読むと、いつもマダムOのことを思い出す。 いつものようにキッシュとメインを一皿、 終わりにマールを一杯と一緒にガトー・ショコラ。

Tuesday, October 07, 2008

今度こそは

7 時起床。猫に食事を与え、猫砂を掃除し、 珈琲をいれつつ斜陽パンを焼いて朝食のあと、 身支度をして、ゴミ出しをして、淀むことなく滑らかに出勤。 7 時台の通勤通学ラッシュの電車とバスに乗って、キャンパスへ。 9 時より卒研ゼミI。ベイズの定理、夫婦円卓問題など。 続いて、10:40 から卒研ゼミFの予定だったが、 こちらは学生の都合で水曜日に変更になり、 いい具合に昼食の時間がとれることになった。 (その代わり水曜日の昼食時間がなくなったが。) 少し雑用をしたあと早めの昼食を満員の学生食堂でとって、 研究室で椅子に座ったまま 15 分間の仮眠を試みていると、 学科長がやって来て、日曜早朝出勤の仕事をおおせつかる。 休みなく 12:30 から卒研ゼミS。 逆ミンコフスキの不等式、ヘルダーの不等式とその応用など。 休みなく続いて 14:10 から「プログラミング演習」。 さらに続いて 16:00 から理工学部教員会議。 今日は早く、一時間ほどで終わった。 と言うより、この会議は単に存在しているだけで、 ほとんど意味をなしていないような気がする。 二週間に一回も開かれているのだが。 明日の講義でマイクを準備するため講義室の下見をしてから帰る。

19 時頃帰宅して、夕食に茄子とベーコンのアーリオオーリオを作る。 白ワインを一杯。 食後に珈琲と、学生から東京土産としてもらったお菓子。 早起きの日があるし、今期は朝方に移行してみようかな……、 と今まで何度思ったことか。 私のような怠け者の駄目人間でも、 もし朝型にさえなれたならば、一体どんな素晴しいことが沢山できることか、 と真剣に考えたのはかつて一度や二度ではない。 今度こそは、何とか。

2008年度ノーベル物理学賞 に南部陽一郎、他二名の日本人物理学者 (南部氏はアメリカに帰化したので、アメリカ人)。 永らく、今度こそは南部先生、と(周囲から)言われ続けていて、 毎年発表の度に(周囲が)準備をしていると言う噂を聞いたことがある。 今度こそ、が実現したようで、大変おめでたい。 それはさておき、 既に古典的とさえ言える結果の受賞であり、 ノーベル賞とはそのような賞なのだと言われればそれまでだが、 これは最近の素粒子物理学と万物理論におけるブレイクスルーのなさを表しているような気がしないでもない。 つまり標準モデル以降に何が本当に分かったのか、 と言うことだが、 この悲観的な印象はちょっと前に読んだ ``The Trouble with Physics" (L. Smolin) に影響されているだけなので、 専門家の方々はお怒りのなきよう。

Monday, October 06, 2008

四色問題

なんとか 6 時半に一度起きたものの、二度寝してしまった。 朝食代わりの珈琲。 衣笠に出勤して、早めの昼食。 講師控室で予習のおさらいをして、 午後から二つ連続で「数理の世界」と「情報の数理」の講義。 16:10 に終了(衣笠は BKC と時間割が違う)。 講義が終わってすぐにバス停に行くと大変なことになる、 と先週学んだので、学内で 30 分ほど時間をつぶすことにする。 春に R 大から K 大に移られた I 先生から先月、 誕生日のプレゼントとして頂いた 「科学者という仕事」(酒井邦嘉/中公新書)を読む。 がけっぷち独身高齢者がどうしたとか言う本も一緒に頂いたのだが、 そちらはもうブックオフに売りました。 バスで帰宅。

丁度いい時間に二条駅にさしかかったので途中下車して、 映画館で「容疑者Xの献身」を観てしまった。 もともと地味な話であることもあって、 あえて映画にしなくても TV ドラマの二時間スペシャル枠でよろしかったのでは、 あるいは、 映画用と思われる、冒頭の爆発シーンや、登山のエピソードなんかはいいから、 もっとじっくり原作を描き込んでも良かったのでは、 と思いはしたが、まあ全体に面白かった。 エンドロールで数学監修がグラフ理論の根上先生であることに気付いた。 物語の中で四色問題が象徴的に用いられているからなのか、 イシガミとネガミでかけたのか、 メディア担当はグラフ理論の方と言うことになっているのか、 事情は知らない。

夕食に月見饂飩を作る。 夜は、演習の課題用にプログラミングをしたり。 さて明日はちゃんと起きられるだろうか。 朝一番から連続ゼミ三つのあと演習のあと会議、 と言う朝から晩までほぼ休憩なしのフル回転日である。 大丈夫かなあ。

Sunday, October 05, 2008

京都デート

7 時半に目覚しをかけたのだが、起床は 9 時。 失敗……。火曜日までに間にあうのだろうか、乞うご期待。 早起きするから朝食も何か食べようと思っていたのだが、 早起きできなくてもそこだけは守ることにして、 朝食は斜陽パン一つと珈琲。朝から生憎の雨。 オックスフォードでの学友の P 君からメイル。 昨夜香港から日本に移動して、さっき起きたところだからまた後で電話する、とのこと。 どうやらガールフレンドが一緒らしい。 寝床であれこれしていたら、P 君からの電話。 早口の英語が良く聞き取れなかったのだが、 これから京都に向かうところらしく、 12 時半に京都駅で待ち合わせをしよう、と言うことになった。

京都駅で可愛らしいガールフレンドを連れた P 君と待ち合わせに成功。 大阪に宿泊していると言うので、阪大で研究会でもあるのかな、 と思ったら、単にプライヴェイトで彼女とデート旅行らしい。 南座近くの鰻屋「松乃」で鰻の蒸籠蒸しが食べたいと言うので即、移動して昼食。 食後は祇園を散策して、そのまま清水寺の方へ向かって歩いて行き、 周辺の観光スポットを周って八坂神社に戻ってくるコース。 夕食までまだ少し時間があったので、河原町であれこれ。 高島屋を見たり、本屋で日本語の確率論の本を探したり。 P 君は目的の一つだったと言う伊藤清先生の「確率過程」を買い、 もう一冊、目次を見て(漢字から推測するに)内容に感銘を受けたと言って 舟木先生の「確率微分方程式」を買っていた。 本の次は、彼女が河原町の「キャサリン・ロス」にひっかかり、 P 君と二人で彼女の試着を見たり。 女の子の試着につきあうのなんて十年ぶりくらいだ。 さて、夕食は何が食べたいのか、和食かフレンチかイタリアンか、 と尋ねると、いやラーメンが食べたい、と主張するので、 近所のラーメン屋で夕食。そのあと四条河原町のバス停で別れ、 19:30 くらいに帰宅。

Saturday, October 04, 2008

斜陽のパン

8 時起床。毎日少しずつ早くなってます。 珈琲だけの朝食。メイルでの対応や、blog 読みをして、 午前中は書庫の整理や掃除などの家事をする。 ちょっと作業をすると 45 リットルのゴミ袋が一杯になる。 毎週これを 3 袋から 4 袋ずつ出しているのだが、 相変わらず物が減ったような気配が一向にない。 本もじゃんじゃん売っているつもりなのに、 どこも減ったように見えない。 少なくとも二百冊は処分したはずなのだが、 まったくそう見えないところからして、 全部で約 5 千冊と見積ったのが甘かったのかも知れない。 今日の労力の代価として、 小銭が入ったポットを発見した。合計 490 円。儲かったなあ。

昼食はカレーライス(第 9 回で最終回)、 茄子と南瓜の素揚げをトッピング。赤ワインを一杯。 さて、今日は休みにしよう。 午後はまた書庫の整理をして身体を動かしたあとは、 何をするでもなく本を読んだり、のんびりしていた。 夕方になって、また本を売りに行く。 今日はハードカヴァと新書をあわせて 20 冊ほど。 そのお金でパンを買って帰る。 本を売ったお金でパンを買うところまで零落れる日がくるとは…… と、 たそがれつつ帰宅。斜陽パン と名付けることにした。 夕食は卵だけの炒飯と、茄子とさとうさや(?) を焼いたもの。一緒にいただきものの白ワインを一杯だけ。

Friday, October 03, 2008

贈る本

8 時過ぎに起床。毎日少しずつでも早く。 寝床でしばらくモンテーニュの「エセー」(宮本志郎訳/白水社) を読んでから階下に降りて、朝食代わりの珈琲。 今日は特に事務仕事も入っておらず、 午前中はのんびり講義の予習などをする。 昼食はカレーライス(8回目)、オクラを軽く塩茹でしたものをトッピング。 午後は書庫の整理など身体を動かす軽作業をしてから、数学を考える。 どうやらここからは急に難しくならざるを得ないな、 と言う印象。ちょっと考えをまとめて、L 先生にメイルを書いておいた。 夕方になってまた本を売りに行く。 今日は文庫や新書ばかりだったこともあり、合計は千円ほどだった。 河原町まで出たついでに、定食で夕食を済ませて帰る。

本を人にプレゼントしたり、ゆずったり、 と言うときの問題は、相手が既に持っている可能性が高いことだ。 その人に喜んでもらえるものを、と相手にあわせて選べば選ぶほど、 既に持っているか、既に読んでいる確率が高くなる。 狙うところとしては、それを読みたいと思ってたんだけど、 たまたま、まだ買ってないんだよね、とか、 なかなか読むチャンスがなくてね、くらいの微妙な線になる。 しかし、これはなかなか難題だ。

Thursday, October 02, 2008

売り食いの日々

8 時起床……のつもりが 8 時半くらいの起床。 何とか来週までには少なくとも 7 時に起きられるようにせねば。 目覚しの珈琲を飲みながら、あれこれメイルベースでの対応をする。 洗濯をしながら、書庫の整理。 昼食にはカレー饂飩を作ってみた(第7回)。九条葱と卵入り。 午後は数学を考える。 夕方になって、流石にカレーばかり食べ過ぎだし、 時には誰かに作ってもらった美味しいものを食べたいな、 と思う。となれば、売り食いだ。 見繕っておいた処分予定本の中から両手に持てるだけの本を持ち、 古本屋に売りに行く。 出来るだけ剥落の雰囲気を出して佇んでみたのが良かったのか、 今日もかなりの金額になった。

そのお金の助けを借りて、予約の電話を入れてから近所のバーに夕食に行く。 ついでに、シェフとソムリエにそれぞれ本を寄付した。 Fシェフには「料理人と仕事」(木沢武男/星雲社)、 Oソムリエには「レストランで最高のもてなしを受けるための50のレッスン」 (F.シモン/岡元麻理恵訳/河出書房新社)。 これはあくまで第一段。 鱸と野菜いろいろのキッシュと、 鶉にレンズ豆とワイルドライスを詰めたロースト、 ポートワインベースにオレンジマーマレード少々のソース。 食後にデザートワインと、名前は忘れたけれどイギリス産のオレンジ色のブルーチーズ。

Wednesday, October 01, 2008

久方の会議

8 時起床……のはずが、また9時。慌ててゴミ出しをして、出勤。 今日はかつてなく早い 11 時に学生食堂に行ってみたが、 既に結構な人出で驚いた。 勿論、空席があるのだが、これくらいが普通の昼時だよなあ、 と言う感じ。12 時から院生ゼミの打ち合わせ。 次は 14:10 から薬学部の「数学4」の講義。 中身は一年生向けの「確率・統計」。 大きな教室の後ろ 4 分の 3 にぎっしり座っていた。100人くらいだろうか。 まさかこんなに多いとは思わなくて教卓の鍵を持ってこなかったので、 マイクも使えず、 最初から最後までがやがやと私語三昧の群集に対し、 大声を張りあげて講義をし、 しかも講義が終わったら一番後ろに座っていた学生に、 全然聞こえないのでマイクを使って下さい、と説教される始末。 続いて、16 時から久しぶりの学科会議。 講義疲れでぼうっとしているうちに、18 時過ぎに終了。 お腹が減ったので、駅の近くのチェーン店で牡蛎フライ・カレーの夕食。 カレーライス週間のところに外食でまでカレーを食べなくてよいものを、 何故か足が勝手に。行きも帰りも遅れ三昧の JR で、20 時過ぎに帰宅。

今期になって私の研究室のゼミ生が既に二名続けて、 中途退学か休学するようで、不景気と関係があるのかなあ、 それとも私が辞めることも原因の一つなのだろうか、 とちょっと心配。他にも、 (毎年のことではあるが)まだ一度も現れない学生もいる。 人生色々あるだろうがもう少し頑張ってみなさい、 と説教の一つもしたいところだが、 自分自身が退職するのでそれも難しい。