Tuesday, January 31, 2006

モデル

簡単パスタの昼食をとって、出勤。 あれこれ雑用して、夕方は解析セミナ。 物理学科の先生が湖の微生物の個体数のモデルについて話されていて、 なかなか面白かった。 帰宅、八時頃。 白菜、豚肉、豆腐などで簡単一人鍋の夕食。

観測にぴったりあうモデルが意味することと、 現象を理解した、と言うことの間にどれくらいの差があるのか、 私はいつも気になる。

Monday, January 30, 2006

宇宙をかき乱す

小雨。 一汁一菜の粗食を作って食し、午後は衣笠に採点報告に行く。 郵送で済ませることもできたが、 数日家に引き籠っていたので、 バスで衣笠まで行ってみるのも良かろう、と思って。 定期試験も終わったのでキャンパスは閑散としている。 人影疎らなキャンパスはいつもいいものだ。 ブロイラー的にならざるを得ない現代の大学においては、 このような快適な人口密度は休暇のときだけだ。 もし大学がブロイラー的でなく、 学問と教育にふさわしい環境だったならば…、 しかし、もし本当にそうなら、 私が大学に職を得る可能性はゼロだったことは勿論、 そもそもどこの大学にも入学できなかっただろう。 それで何が悪いのか、、、 いや、問いの立て方がおかしいな。 この if 文には意味がない。 「大学」のあり方や変化のせいではない。 正しくは、「もし、私が」もっと才能豊かで…、 いや、それはただのないものねだりだな、 やり直し。もし私がもっと私に厳しく、 私にもっと多くを求めていたならば… これも過去形が駄目だな、やり直し。 高貴さは自らに課す要求と義務の多寡によって計られるものであって、 権利によって計られるものではない、 恣意ニツキテ生クルハ平俗ナリ、 高貴ナル者ハ秩序ト法ヲ求ム、か…そうは言ってもねえ。

そんなことを考えながら芝生を横断して、 法学部の事務に採点報告を提出。 ついでに、 通称「ぞんち」の生協書籍部で本を買う。 フリーマン・ダイソンの自伝、 「宇宙をかき乱すべきか (上、下)」(F.ダイソン著/鎮目恭夫訳/ちくま学芸文庫)。 家に帰って、夕食も一汁一菜の粗食。

Sunday, January 29, 2006

レポート採点二日目

「情報の数理」のレポート採点。 登録者数が250人を越えているので、 これは大変だと思っていたが、 実際、レポートを提出しているのは200人以下で、 「数理の世界」よりかなり楽だった。 とは言え、午前、午後と丸一日使ったけど。 原因は登録者数のかなりの部分を四回生以上が占めていて、 彼等がほとんどレポートを出さなかったから、 と言うか、そもそも登録だけして講義にも出てこなかったのだろう。 とにかく、途中にカルボナーラの昼食を挟んで、 「羊たちの沈黙」「アベンジャーズ」など DVD を流しつつ、 採点採点また採点、断罪断罪また断罪。 夕方になって終了。

その後、能動的なことは今日はもう出来そうにないので、夜は読書。 「最強ヘッジファンドLTCMの興亡」(R. ローウェンスタイン著/ 東江一紀・瑞穂のりこ訳/日経ビジネス人文庫)。 以前に読んだ、 別のLTCMのドキュメンタリの文庫落ちだと思い込んでいたため、 ずっと未読だった。 原題は "When genius failed" だが、 この genius はノーベル賞受賞者たちと言うより、 彼等を率いたメリウェザーのことなのだろうか、 むしろメリウェザー自身についての記述が多い。 また、見てきたような嘘をつき、 と言う感じの臨場感のある書きっぷりが読み易い。

Saturday, January 28, 2006

レポートと Wikipedia

さて、やるか、と気合を入れて、 800 通のレポート採点に取りかかる。 まず人数の少ない方から、と「数理の世界」。 登録者数 207 名。 午前中から始めて、 昼食、夕食を挟んで読み続け、丁度、先程の夜 9 時に終わった。 明日は、「情報の数理」をやろう。こちらの登録者数は 253 名。

ところで、文系でのレポート課題の特徴なのか、 Wikipedia で項目を調べてそれを写してくる学生がかなりの割合でいた。 しかもワープロでそのままコピー。 中には、HTML のリンクも外さずにコピーしてあるため (あるいは、Web ページをそのままプリントアウトしてたりして)、 文章の中の全てのキーワードに青い下線が引かれているものまであった。 まるで政治家の脱税みたいなもので、 おいおい、ズルをするのなら、もうちょっと気を使おうよ、と思ったものの、 資料の一つとして Wikipedia を挙げている学生まで数えれば、 大半、と言ってもいいくらいの普及率で、 今の学生がレポートを書くと言ったら Wikipedia ってことらしい。

昼食、御飯を炊いて、いつもの一汁一菜の粗食。 夕食、駅前の王将で餃子一人前を100円で売っていたのを買ってきて、 餃子鍋。また鍋料理。でも美味しいからいいか。 本当なら餃子の皮から作りたいところなのだが、 時間と安さに負けた。 ところで、ある京都生まれ京都育ちのロコによれば、 「餃子の王将」こそ真の京都の味だと言う。 庶民は子供の頃から言わゆる京料理なんて食べてやしない、と。 ちなみに、駅前のこの王将が一号店らしい。

Friday, January 27, 2006

セネカ

昨日一日、ゆっくりと流し打ちモードで過したので、 会議疲れから復活してきた。 自分では防衛体力には自信があったのだが、 会議だけはどうしても良くない。 ただ座っているだけなのに、何がそう身体に悪いのか良く分からないが、 とにかく、私の精神と身体の両面に激しいダメージを与えるようだ。 偉い人は毎日いくつもこんな会議をしているようなのだけれど、 同じ人間とは思えない。 寿命が私の三倍くらいある人たちなのだろうか。

今日は、あれこれの小さな雑用を午前、午後と一気に片付ける。 昼食はまたカレーライス。ようやく食べ終わった。 夕食はうどんすき。冬はついつい鍋にしてしまう。 作るのも片付けるのも楽だし、美味しいし。 うどんすきはだしを取るのが正しいのだろうが、 私は面倒なので具を揃えて水から煮るだけ。 具の中に練り物さえ入っていれば十分だしが出るから、 後から塩、醤油、一味などで味を整えるだけで美味しく出来る。 練り物頼みなので、少なくともそこだけはいいものを使いたい。 私は牛蒡天とかお勧めかな。

最近の読書。岩波文庫のセネカ「人生の短さについて、他二篇」。 ここしばらく、会議のあった日は寝る前に必ず読む愛読書。 以前はマルクス・アウレリウス帝を読んでいたが、 セネカの方が癒しの度合いが高いことに気付いた。 今日はちょっと気持ちが前向きになってきたので(?)、 同じく岩波文庫の「孫子」を読んでみた。 将に五危あり。必死は殺され、必生は虜にされ、忿速は侮られ、 廉潔は辱しめられ、愛民は煩さる、 か… このあたりの呼吸は今度会ったときにでも、 渋谷の戦う技術者、策士 N 氏に直伝していただきたい。

Thursday, January 26, 2006

一年で最も暗い日

時々変なニュースを流す BBC。 カーディフ大学のある非常勤講師によれば、 統計的に一年間で最も鬱な日は一昨日 1 月 24 日月曜日 だったそうだ。 おそらくマッドなサイエンティストであると思われるこの人の マッドな公式、「一月鬱日公式」とは、 1/8W+(D-d) 3/8xTQ MxNA. ここに、W は「天気」、D は借金、d は一月に支払うべき金額、 T はクリスマスからの日数、 Q は悪癖を断つのに失敗するまでの日数、 M はモチベーションの高さ、 NA はその何かをする必要度らしい。 これらにそれぞれの統計的期待値を放り込んで計算すると、 一番暗い日は 1 月 24 日だ、と。 とりあえず、 一月において鬱度はクリスマスからの日数に対して線形らしい。

円周率

近所のパン屋で昼食のサンドウィッチを買って出勤。 午後は、レポートと定期試験の採点。 大半の学生が、log の計算が出来ていないことに、 やや背筋が冷たくなったが、 まあ、そんなものできなくてもいいのかも知れない。 夕方から学科会議。軽く 3 時間ほど。 終わってすぐに帰ったものの、帰宅したのは 9 時過ぎ。 昨日、今日と会議の嵐で疲れた心を癒すために、 近所のバーで夕食。

学科会議のときに隣りに座った O 先生から、 「円周率よりも、10 の平方根が少し大きいことを、 簡単に証明できるか」と質問された。 いい問題だ。そのとき少し考えたが、よい方法が思い浮かばなかった。 それで思い出したのだが、 高校生のとき私は、円周率の二乗が重力定数にかなり近いことに気付き、 これには何か深い理由があって、 実は重力定数はぴったり円周率の二乗に等しいのではないか、と妄想し、 これを示そうとしばらくの間、重力の「研究」をしていたことがある。 若い、って恐しい。

Tuesday, January 24, 2006

ゴールドベルグ変奏曲

昨夜のうちにほとんど作っておいたお弁当を詰めて、出勤。 朝は三月の国際シンポジウム関連の会議。 続いて、研究室で昼食のお弁当を食べ、 生協で研究費でお買い物して、 3時から定期試験の監督応援。 続いて、4時半から教授会。 覚悟はしていたものの、続きに続いて、 終わったのは、9 時 45 分。 普通の老人なら脳血栓か何かで倒れていると思う。 終了して即座に荷物をまとめて、バスに乗る。 バスの車中では、 こうなることを予測して持ってきていた Zen Neeon で、 レオンハルトの弾くゴールドベルグ変奏曲を聴いて、 ささくれだった心を慰める。 電車を乗り継いで壬生に帰宅したのは、いまこの時間。 これから、簡単な夕食を作って、 お風呂に入って寝ます… 何も面白いことが書けなくてすみません。 明日も会議だ。

Monday, January 23, 2006

餡ドーナツ

朝起きたら、外の景色は真っ白。 午前中はずっと雪が降っていた。 朝食はカフェオレのみ。 午前中は PC の設定をするが、 実際は無駄骨だった。 昼食はカレー饂飩。 午後は論文草稿の推敲を TeX ファイルに反映する作業。 完成。まあ、こんなものかな。 共同研究者にメイルで送る。 しかし何故か、添付ファイルを送ることができず、 結局、続けざまに四通もメイルを送ってしまった。 うーむ、ほとんどスパムじゃないか。 何度か研究会やゼミでは話したものの、 この論文、日の目を見ることがあるのかなあ。 ちょっと変な話なので、分野が何なのかも良く分からないし。 夕食はまたしてもカレーライス。 あと、五食分くらいはありそうだ。 食後に珈琲と餡ドーナツ。

餡ドーナツって誰が考えたのか、 このいかにも体に悪そうな甘いもの油ぽいものコンビが、 美味しいな…

Sunday, January 22, 2006

甘藍のパスタ

10 時くらいまで寝てしまった。朝食、カフェオレのみ。 仕込んでおいたカレーにじゃが芋を加えて煮て、 昼食はカレーライス。赤ワインを一杯。 「ハンニバル」の DVD を観ながら食す。 映像は綺麗だが、映画の質としては 「羊たちの沈黙」に比べて何段も落ちるなあ、 と毎回思う感想。 午後は、論文原稿の推敲。まあ、こんなものか。 オールドタイプの人間なので、 紙に打ち出したものに赤ペンで訂正しているため、 TeX ファイルに反映するためもう一段階必要。 その作業は明日にしよう。 猫のえさを買うために、近所のスーパーまで外出。 寒い。雪は降らなかったが、確実に気温が急降下している。 夕食は、私の秘密レシピによる甘藍のパスタと、 白ワインを一杯。 食後に珈琲とドーナツ。

TV で鏡花の挿絵画家の特集を観る。 他の挿絵にはぴんとこないが、やはり小村雪岱は特別にいいなあ。 今、春陽堂の鏡花本なんか古書市場で買うといくらくらいするのかね。

Saturday, January 21, 2006

鮪ねぎトロのお好み焼き

朝起きたら雪でも積もっているかと思ってカーテンを開けてみたら、 きれいさっぱり晴天。 天気予報は外れか、今日も雪は降りそうにない。 昼食はベンガルカレー。ついでにスパイス類も購入。 午後は、論文原稿の推敲など軽くお仕事。 平行して、鶏ガラを寸胴鍋で煮てスープストックをとり、 カレーを仕込む。

夕食は鮪のたたきを使って、 お好み焼きを作ってみる。 私は作る料理に関しては保守的なので、 滅多に創作料理風のものは作らないのだが、ふと魔が差した。 葱とろにキャベツのみじん切りを多めに入れ、 卵などでつなぎ、関西風のお好み焼きの要領で焼きあげる。 小麦粉の類がまったく入っていないところが味噌か。 うーむ、お好み焼きにしか見えないものが出来あがり。 鮪の油が出たフライパンで、 赤ワインをベースにソースを適当に作ってあわせる。 味は予想した通りで驚きはなかったものの、 予定調和的な美味であった。

Friday, January 20, 2006

心理歴史学

天気は良いが、かなり気温が下がってきているようだ。 週末は雪だそうで、今夜あたりから降り出すとか。 定例バックアップ作業と一週間の反省。 バックアップはさらに自動化を進めたので、 ほとんど作業がなくなりつつある。 昼食は昨日作っておいた野菜スープなど。 夕食はまぐろのたたきを使って、ねぎとろ丼。

会議について、 こういう記事 を見つけた。 科学的に実証された、と言うけれど、 どれもこれも誰もが昔から知っていたことなのでは…

最近、ふと思い立って、アシモフの「銀河帝国興亡史」(「銀河帝国の興亡」) を読み返しているのですけれど、 大学という組織がどこに向かって行くのか、 是非、心理歴史学者ハリ・セルダンに尋ねてみたいところです。

Thursday, January 19, 2006

青空と雪

京都は朝から雪が散らつく。 近所のパン屋で昼食用のサンドウィッチを買って、出勤。 朝は定期試験の監督補助。 会場には風邪をひいているらしき学生が大勢いた。 これが風邪が流行する主原因じゃないだろうか。 私も何だか寒気がしてきたような。 研究室で昼食を取り、 午後はレポート採点の続きなど。 BKC では雪が断続的に激しく降っていた。 青空も見えていたので、 琵琶湖の向こうから風で雪が運ばれてくるのかも知れない。 夕食はカルボナーラ。 ベーコンを使い切りたかったので、 ついでに伊丹十三に学んだイタリア風の野菜スープも作って保存。

一昨日から激しく市場が動いていて、 きっと資金のある人は大変儲けただろうなあ、と思ったり。 例えば、日経や TOPIX のような指数のパッシヴ・ファンドの間の 追随誤差で一種の裁定取引をしてみたらどうだろう。 値動きが衝撃的だと指数のレプリカに歪みが出るから、 ファンドの規模や能力によって追随する速度に誤差がでるだろう。 そこでその誤差が消滅するまでの期間に、 二つのインデックス・ファンドの間の収束の速度と加速度を測り、 適切なレバレッジで速い(遅い)方を空売りして、 その空売りで得た資金で遅い(速い)方を同じだけ買う。 実際はどちらか片方だけでいいのだが、 収束裁定と同じ意味で安全のためと、 同じプログラムを使い回すために両方向に取引する。 名付けて、市場衝撃吸収裁定。どうかなあ、 誰か僕に50億円くらい運用させてくれないだろうか。

Wednesday, January 18, 2006

送る言葉

昨夜のうちにほとんど作っておいたお弁当を持って、出勤。 朝は「プログラミング演習」の最終日。 昼食は研究室でお弁当を食べ、 そのまま続いてレポート採点。 3 時から「情報理論」の最終講義試験の監督に行く。 続いて、4 時半から学科会議を四時間ほど。 終わったのは 8 時半近く、 それからバスと電車二本を乗り継いで、 今、壬生に帰ってきました。 これから夕食を作って、お風呂に入って、 多分、死んだように寝ます。

多数の意見をまとめるのに、 本当の本当に、「会議」って正しい方法なんだろうか? そんなことを思っているようじゃ、社会人とは言えませんかねえ…

いつの間にか復活していた戦慄サーバ。 新年からの御不幸で、お悔やみを申しあげます。 しかし、これ は本当に大変素晴しい、送る言葉ですね。

Tuesday, January 17, 2006

行動心理学

近所のパン屋で昼食のサンドウィッチを買って出勤。 12 時半から、サンドウィッチを食べながら卒研ゼミの最終日。 マルコフ過程の定常分布の性質など。 次は、情報システム課へ。 ようやく許可が下りたので、 Mathematica のインストールメディアを借りに行く。 続いて、また今日も会議か…、 と会議室に行くと私の勘違いで、 私が参加する資格もない偉い人だけの会議だった。 そもそも出なくてよい会議だったのに、 何故か儲けたような気持ちになって、 ご機嫌でキャンパスを後にする。 これが行動心理学的効果というものか。 amazon で買った本、 "Kramnik: my life and games" (V.Kramnik-I.Damsky) が届いていたので、持ち帰る。 夕食はまた鶏のワイン煮込み。煮込みは二日目の方が美味しい。 食後は計算機の世話を色々。

Monday, January 16, 2006

文系講義最終回

衣笠文系講義の最終日。 聴講者数が急増されても困るので、 レポートを授業の前に集めるようにしたら、 授業が始まるときにはいつもと同じくらいの人数。 学生さんはそれぞれにお忙しいのだなあ。 でも、「数理の世界」も「情報の数理」も、 毎回およそ数十人くらいの学生が、 文系での数学講義であるにも関わらず、 熱心に聴いてくれて、意外であると同時にありがたいことであった。

今日の「数理の世界」は、 半球面上に「点」、「直線」、「鏡映」を定義して、 合同変換を作り、「長さ」を適切に定義し、 このモデルでは「直線」に対して、 その上にない与えられた一点を通る平行線が丁度二本引けること、 つまり非ユークリッド的な幾何学が実現されていることを示して、 最終回とした。 「情報の数理」ではこれまでに用意したことを使って、 シャノンの第一定理を証明して終わり。 どちらも二百通近く、合計四百通のレポートで一杯になった鞄を、 よろよろしながら持ち帰る。 これを(同じ量の中間レポート分をあわせて)採点するんだよなあ…

今日の夕食は、昨日仕込んでおいた鶏のワイン煮。 仕上げに野菜などを入れ、少し煮詰めて完成させる。 冬はやはり、煮込み料理が美味しい。 ただ、一人分、という分量で作りようがないので、 どうしても何食か続けて食べなくてはならないのが問題だが。

Sunday, January 15, 2006

アンコール・ピース

ここ数日、京都は少しあたたかい。 室温もせいぜい 7、8 度くらいなので、 特に暖房をつける必要もないくらい。 ベーコンエッグとパンなどの簡単な昼食をとって、 午後は京都国立博物館でのチェンバロのコンサートに行く。 演奏は中野振一朗氏とコレギウム・ムジクム・テレマンで、 曲目は C.P.E. バッハ、J.Ch. バッハ、ハイドンなど。 この演者達だから勿論どれも良かったが、 最後のアンコール・ピースとして、 モーツァルトが五歳くらいのときに作曲した曲だと言って、 中野氏が15秒くらいのパッセージをちゃららん、と弾いていて、 この締め括り方はお洒落だなあ、と思った。 さて、帰ろうかとバス停で待つも、 来るバス来るバス、ここはインドかと思うほど鈴なり満員。 今日は何か観光イベントでもある日なのか、 それともこのあたりは日曜に混雑するのだろうか。 やむを得ず、タクシーをつかまえて帰宅。

夕食は昨日から仕込んでおいた鮪を使って、 鮪のヅケ丼。 寿司屋でも始めようかと思うほど旨い。 我ながら自分の才能が恐しいな、と思いつつ、 ありがたく海の幸をいただく。 しかし良く考えれば、 どう下手をしたところで、美味しく出来る料理のような気もする (米が柔らかいとさすがに駄目かも)。 食後は明日以降のために鶏のワイン煮込みを仕込んでから、 講義の準備など。

Saturday, January 14, 2006

昨夜が遅かったので、昼近くまで寝てしまった。 昼食は昨日の胃の疲れを考慮して、雑炊にする。 午後は風呂に入って、少し昼寝。 知り合いに送ってもらった、「女王蜂」の録画 DVD を観る。 うーむ、大道寺智子役の栗山千明さん凄いな。 演技はともかく、この顔は凄い。 アルモドバルの映画に登場する「ピカソ顔の女」 に匹敵するインパクト。 近所のスーパーに買い出しに行く。 野菜の値もやや落ちついてきたか。 鮪の中落ちが安かったので購入。 夕食はうどんすき。 明日用に、まぐろのヅケを仕込む。 夜は講義の準備など。

古稀

昨日、13日(金)は京大で、 W 先生の古稀のお祝いを記念したシンポジウムに参加。 シンポジウムの性質上、講演はサーヴェイ的なものが主かな、 と思って、その意味ではあまり期待していなかったのだが、 皆さん最近の研究にまでつっこんで話され、 なかなか刺激的で出席した甲斐があった。 夜は京大会館で古稀をお祝いするパーティ。 パーティの終わりに、W 先生のところに行って、 一言だけお祝いとお礼のご挨拶を申しあげてきた。 退官のあとは折角 R 大学に来てくれたのに、 もっと W 先生から色々と学ぶべきだったなあ。 しかし、W 先生は極端に礼儀正しいと言うか、 それにもほどがある、と言うか、 「H さんからも、もっと色々教えてもらうべきでしたのに…」 とかまでおっしゃられるのに、平身低頭して退散。

パーティの後は、 A 堀先生が若い OD とかを捕まえて、肴も用意したし (その彼自身が肴らしい)さあ飲みに行くぞ!と怪気炎をあげていたので、 その勢いに恐れをなして、 もっと平均年齢の高い別グループの方に参加。木屋町で飲む。 11時くらいに解散となったが、 何だか喉が乾いたし、小腹も空いたように思ったので、 祇園花見小路のバーに一人で行く。 シャンパンをグラスで一杯と、リゾット。 リゾットを食べたら食欲がさらにわいてきて、 ビーフシチューもいただき、 F シェフと料理の話などして、深夜 1 時過ぎにタクシーで帰宅。

Thursday, January 12, 2006

十段階評価

昨日いきなり授業を二つして、会議に出たもので、 今朝起きたら肩が上がらない。 毎週そうしていたのだが、冬休みで体がなまったのだろう。 年はとりたくないものだ。

今から思えば、 以前の私は学生に対してとげとげしかったのではないかな、 と思う。 その反省のおかげか、 最近では心あたたまる感じのおとぼけ質問を、 学生から直接してもらえるようになった。 昨日受けた愉快な質問は、 「今度の期末試験は、十段階で言うとどれくらい難しいですか?」 で、 「十段階の意味がわからないでしょうに… 例えば、10はどれくらい難しいの?」 と訊き返すと、学生言わく、 「超難しいのが10」

Wednesday, January 11, 2006

初会議

朝は「プログラミング演習」。 研究室で自作のサンドウィッチで昼食をとり、 午後は「情報理論」。試験前の最終日なので、 いつもの四倍くらいの学生が来ていた。 分かり易い人々だなあ… でも、授業料を払って普段講義に来ないこのような方々は、 私立大学の経営を成立させている大事なパトロン様たちである。 この方々あってこそ、 私は日々の糧と夜露をしのぐ屋根を得ることができるのである。 有り難く思わねば。 その後は、続いて学科会議。 足引の山鳥の尾のしだりをの、 長々しき会議をひとりかもねん。 終わったのは 7 時過ぎ。

会議の前後にひやっとすることがあったが、 何とか切り抜けられた。 年初から、今年は何だか嫌な予感がするなあ…

Tuesday, January 10, 2006

レシピ

朝は簡単な粗食お弁当を作って BKC に出勤。 午後は、卒研ゼミ。マルコフ過程の再帰性など。 その後は、あれこれ溜っていた事務用を片付ける。 私の知らない間に、 今度は定期試験後にその講評とやらをしなければならなくなったようだ。 いい加減な試験をしないように、と言う用心と、 公正な判定をしていますよ、と学生に示すためだろう。 アリバイ、とも言うけど。 次々、新たに仕事を増やしていくのはなぜなのだろう。 前と同じじゃ駄目なのか、駄目なんですね。 時代は変わっていくのですね。 ふと思うのですけれど、 昔の大学がいかにいい加減だったか、と言う、 楽しい逸話を民話のように蒐集して、 語り継いでいくべきじゃないだろうか。 例えば、答案用紙にカレーライスの作り方を書いたら、 単位が取れた話と不可になった話とか、 扇風機で答案用紙を飛ばして成績をつける先生の話とか。 都市伝説の類かも知れないけど、 昔はそんな話を先輩から聞いても、 ああそんなものだろうなあ、と説得力があったものだよ。

夕食にピェンロー、つまり 白菜の中華風塩鍋を作る。 鍋の後はもちろんおじやにする。 完璧だ…この料理をつかんだ気がする。 秘蔵のレシピ集に加えておこう。 夜は、講義の予習をして、 明日のランチ用にサンドウィッチの具を仕込む。 明日の朝は、演習に間にあうように早起きできるかなあ。

Monday, January 09, 2006

知恵熱

月曜が国民の祝日だと反射的に通常営業日だな、 と思ってしまうのだが、 何と今日は本当に祝日らしい。成人の日だから学生に遠慮したのか。 とは言え、毎年、学年暦が自由自在に改革されていくので、 理由を推理しても始まらない。 そう言えば、定期試験時間割と通常講義時間割を同時進行する、 という天才的な学年暦が考案されたり、 どうも偉い方々は「知恵」を出し過ぎじゃないのか。 頭が良過ぎるのにも困ったものだ。 ところで、最近あちこちで、「そこは皆さんに知恵を出していただいて」、 などと言う言葉を聞く。 大抵の場合は、翻訳すると、 「どうにもならないので、切り捨てる方向で」とか、 「どうしようもないので、誰に皺寄せするかを決めましょう」とか、 「あとは野となれ山となれ」だったりに過ぎないようだ。 そういや「ゆとり教育」も、知識詰め込み型教育を反省して、 これからは生きる知恵を学ばせるのだ、とか言って始まってたなあ。 「知恵」は「学び」「汗をかく」などと共に、 今、貶められ、濫用されている単語の一つかな。

昼食は冷や御飯、たまご焼き、沢庵などで適当に済ませ、 午後は、珍しく休暇中の執事とチェスを二局。 45 分のギロチン。 一局目、黒番。1. d3 の謎オープニングに対し、 キングズ・インディアン。 中盤で 1 ルークダウンの大ポカを咎めて勝ち。 二局目、白番。ルイ・ロペスに対し、シュタイニッツ・ディフェンス。 1 ポーンアップの同色ビショップのエンドゲームを勝つ。 エンドゲームにはまだ一日の長あり、か。 段々 45 分ギロチンに慣れてきたかも。

夕食は近所のバーに新年の挨拶ついでに出かける。 田舎風パテ、鴨肉のソテー、チーズ三種、 などでグラスワイン三杯を飲む。

Sunday, January 08, 2006

去年今年貫く棒の如きもの(虚子)

昼食はベンガルカレー。 午後は暮らしの雑用をあれこれ。 その合間の読書、「クビツリハイスクール」(西尾維新/講談社ノベルズ)。 短いものなので一時間半ほどで読了。 面白いですよ、本当に。ただ、スニーカー文庫とか、 X文庫とかから出す方が、消費者に親切ではあるだろう。 さらに、「文人暴食」(嵐山光三郎/新潮文庫)の続きを読む。読了。

一番面白かったのは、久保田万太郎の項目だろうか。 私は学生時代から万太郎の句が好きだった。 特に食べ物が読み込まれたものが好きで、 有名な、湯豆腐やら鮟鱇やら煮大根やらの凄みのある句も良ければ、 頼まれたのでさらっと詠み捨てました、 と言う感じの力の入っていない句もいい。 しかし、「文人暴食」に書かれた、 晩年になり醜い成金か、 妖怪政治家のようになった万太郎の姿を読んで、 私の句の味わい方は浅かったことを思い知った。 万太郎の真髄はやはりもっと年を取って、 老人と呼ばれるくらいにならないと分からないかも知れない。

他の項目では、幸徳秋水の母が偉い。 うーむ、昔にはこんな偉い女がいたのだなあ。 あの時代に大逆事件で死刑を待っている獄中の息子に面会して、 涙一つこぼさず「お前もシッカリしておいで」、 と言い捨てて帰るところも凄ければ、 その一ヶ月後に病死する直前、獄中の秋水に 「お前の先途を見届けぬ中は病気になぞにはならぬから、 ソンナことを心配せずと本を読んだり詩を作ったりして楽しんで居なさい」 と手紙を送った、と言うところも凄い。

Saturday, January 07, 2006

欲望

まだ冬休み気分で朝が早く起きられない。 昼食は冷やご飯で沢庵と味噌汁などの素食。 午後の暇な時間は「文人暴食」(嵐山光三郎/新潮文庫)を読んだり。 芸術部門とは言え、やはり旺盛な仕事ぶりは旺盛な食欲に根差すか。 夕方は珈琲豆を買いに出たついでに少し買い物。 夕食に納豆のパスタを作る。 食後にワインがグラスに残ったので、さらにチーズを少し。 珈琲。

来週末に京都国立博物館で、 日本テレマン協会のチェンバロのコンサートがあるというので予約。

Friday, January 06, 2006

壁紙

冬休みの二週間に読んだ本。 「風々院風々風々居士」(山田風太郎、聞き手・森まゆみ/ちくま文庫)、 「哲学ファンタジー」(R.スマリヤン、高橋昌一郎訳/丸善)、 「果てしなき探求(上・下)」(K.R.ポパー、森博訳/岩波現代文庫)、 「クビキリサイクル」「クビシメロマンチスト」(以上二冊、西尾維新/講談社ノベルズ)、 "Freakonomics" (S.D.Levitt-S.J.Dubner), "Fooled by Randomness" (N.N.Taleb). 読んでいる途中の本、 「天の声・枯草熱」(S.レム、沼野・深見・由上訳/国書刊行会)、 「ロリータ」(ナボコフ、若島正訳/新潮社)、など。 もっと読めると思っていたが、 洋書を読む速度が遅すぎるのと PC 設定に時間を取られたのとで、 これくらいになってしまった。

とは言え、PC 設定は簡単で、 一番時間がかかったのは、と言うより、 一番楽しんだのは「壁紙」の選択。 横長の画面にあうものを悩んだ挙句、 東大のデータベースからダウンロードしたピラネージの版画にいたしました。 版画の余白部分にアイコンが置けていい感じ。

Thursday, January 05, 2006

大数の法則

先日の月末支払いの端数を賭けたチェスの結果。 45分のギロチン、白番。 ルイロペス、シュタイニッツ・ディフェンス。 またしても時間に追われたが、最後の9秒で一手詰めを拾って辛勝。 ギロチンは難しいなあ。

今日が最後の休日か… 読書三昧の休暇のはずだったが、 PC を新調したせいで最後の二日は設定三昧。 その合間の息抜き用に西尾維新の二作目を買ってきて、 流し読み。 昼時に執事が掃除にやってきたので、 西尾維新について雑談。 「二作目を自分で買ってきたのだが、 この著者は R 大学の学生のようだな。 主人公が通う私立『鹿鳴館大学』は衣笠にあるらしいし、 存心館らしき建物の生協で昼ごはん食べてるし」 「まさかご自分でお書きになったのではないでしょうね、 変に絶賛してると思ったら」 「違う。それに絶賛した覚えないし」。 「まあ、親しみのある舞台の小説でよろしゅうございましたね…」、 と言い残して、掃除を終えた執事は仕事に帰っていった。 とにかく、この著者は衣笠の学生(または、元学生)のようだし、 一作目で大数の法則を正しく理解していなかったところからして、 文系の学生かな。 ところで、 二作目のダイイングメッセージの意味がさっぱりわからない。 言われればすぐ、ああそうか、と思い当たるようじゃないと、 ダイイングメッセージものは駄目なんじゃないかなあ、 と著者のせいにしておこう。

どうも世間では、 大数の法則をエルゴード定理風の主張と勘違いしている人が多いようだが、 何故なのだろう。 どこかでそんな間違った解釈が広められているのだろうか。 レムの「枯草熱」もそれ風ではあるが、 ぎりぎり正しい解釈であるかのように読めなくもない、 微妙な書き方になっていたように思う。

Wednesday, January 04, 2006

Gateway

予備用のノート PC のバックライトが明滅しだしたので、 やむなく新メインマシンにすべくノート PC を寺町に買いにいく。 私の思っていたより低価格化が進んでいて、 まあこれでいいかな、と思うものが十万円以下で買えた。 そもそも、特に高いスペックを要求する仕事はしないので、 一世代前のもので私には十分だ、ということもあるが。 ちなみに、日本に復活したらしい Gateway を買いました。 なんだか懐かしいなあ、Gateway… 大昔、タワー型でハードディスクががらがら音を立てて回る、 スペックだけは(当時では)異常に高機能で、やたらに丈夫だが、 繊細さのかけらもない Gateway のマシンを使ってたなあ。 そして、今も壊れずに自宅にある。

Tuesday, January 03, 2006

戯言

レムの「天の声」を読もうと思っていたのだが、 執事から「クビキリサイクル」(西尾維新/講談社ノベルズ)を借りたので、 午後の読書を西尾氏イチオシに充てる。 二時間ほどで読了。 思ったよりずっと面白かった。 少なくとも清涼飲・料水がそもそも小説の体、 と言うより文章の体をなしていないのに比して、 ちゃんと小説の形になっている。 二十歳前後くらいまでが対象年齢のような気はするが、 そういうエンタテイメントだと思えばなかなか楽しく読め、 時間の無駄だったとは思わなかった。 ところで、どうしてこの登場人物たちは一度も、 超能力者に「犯人は誰か」と率直に訊かないのだろうか。 まともに答えてくれないにしても、 訊くくらい訊いてもいいと思うのだけど。

Monday, January 02, 2006

正月二日

一日の帰省で疲れたのだろうか、 11 時近くまで寝てしまった。 ポパーの自伝の残りを読んだり。 昼食は実家からもらってきたおせちで、 「コックと泥棒、その妻と愛人」を DVD で観つつ 昨夜のシャンパンの残りを飲む。 他にすることもないので、午後も読書をしたり、 チェロの弾き初めをしたり。 指慣らしのトリルなどの簡単なエチュードとスケール。 ポパー「果てしなき探究 ― 知的自伝」(上・下)、読了。 レムの「天の声・枯草熱」の「天の声」の方が残っているのを読んで、 その次は何にするかな…

今年の目標は「日常生活の建て直し」に決定。 昨年の九月末まで一年間、ほとんどデューティの無い生活をしていて、 その後はあわただしく何とか日常についていくのが精一杯だった。 今年は、いつもの平凡な毎日の暮らしをきちんと作り上げていきたい、 と思います。

Sunday, January 01, 2006

火かき棒事件

31 日の夜に実家に戻って、1日の夕方に帰ってくる。 これも親孝行か、と我慢しているが、 一泊だけとは言え、やや面倒なことであるなあ…

往復の車中で、スマリヤン「哲学ファンタジー」読了。 ポパーの自伝「果てしなき探究」(上・下)は、 下巻のヴィトゲンシュタインとの「火かき棒事件」 のあたりまで読んだ。

夜は、実家からもらってきた巻寿司といなり寿司を夕食に、 シャンパンを飲む。 去年の反省と今年の目標については今夜ゆっくり考えることにします。